2005年07月11日

たぶん雨

こんな日に三つ眼の猫と遭ったのだ 4月最後の雨の日だった (緒川景子

水でできたひとは水でできているので名は、ない
名がないとうしろから呼びかけるときに困るが水でできたひとには前も後ろも、ない
で、タケノコトリさんのほうから呼びかけることは、ない
水でできたひとはいつもコップのなかから声をかける
まぐわいをいたしましょう、と甘たるい声で云う
そう云われるとタケノコトリさんは衣服を脱いで液体になってコップのなかにするりと入ってまぐわいをする
幾度もまぐわう
粘っこくまぐわう
およそ水でできたひとの水かタケノコトリさんの液体か見分けられないくらい交じり合う
コップはゆらり波打つ
まぐわいが果てるとコップの水はすぅと、消える
水でできたひとの甘たるい声が雨音に消される
ここのところ雨ばかり降る
水でできたひとには名がないので呼びかけることができない
雨はいっそう激しく降る
20040929


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posted by 日菜清司 at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌流歳歳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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