2005年06月13日

いる

マジシャンの助手の聾唖の美少女の鞄の鳩の眼の春の雪

恋人が消える
肉体をすぅと失うんである
恋人が消えると音もすぅと消える
今月になって四度目である
以前はこんなに消えることはなかった
せいぜい季節に一度ほどである
消えるといってもちゃんと、いる
コップは丁寧に洗われているし、
投げ散らかしたリモコンはいつの間にやら揃えられている
箪笥には季節の衣服が詰め替えられているし、
文庫本に挟まれた栞の位置はすこしずつ動いている
この部屋にはたしかに肉体と音を失った恋人がいるんである
時折ポケットがごっそりと、動く
退屈なんであろう
恋人は消えたきりである
20040622


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posted by 日菜清司 at 22:35| Comment(0) | TrackBack(0) | my song | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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