2005年05月13日

天使たちのシーン2

逃避行できない我と君のため空いっぱいに描く星の地図 (俵万智

「かすが苑」で羽根を売るようになって久しい
クリスマスのころになると天使たちが羽根の修繕やら新調に押し寄せてめまぐるしい
それぞれの背中の寸法と体重に合わせた羽根を拵えるのである
クリスマスが終わるとかすが苑は閑散として懇意にしている天使たちと麻雀をして過ごす

めずらしく来客があった
くたびれた様相をした白鳥座である
どうもうまく飛べないのです、
ときどき羽根がすぅと消えてしまうのです、白鳥座は云う
ずいぶんと小さく汚れてしまった羽根をくるりと背を向けて見せてくれる
実際に2秒か3秒であるがすぅと消える
白鳥座の肩の寸法を測ってやり羽根の欠陥を修繕してやる
およそ直せない羽根はない
もう消えることはあるまい
新しい羽根は白鳥座に調和し白鳥座は羽根をより丁重に扱うのである
空いっぱいに堂々と君臨している白鳥座を天使たちと見る
ご機嫌な天使たちは羽根を広げて夜空の端から端を幾度も赤いループになって旋回する
ぼくはつぎつぎに新しい羽根を拵えて修繕を施すのである
天使たちは夜を通してぼくを見守るように鮮やかな旋回を繰り返している
20050511

今作は前年12月24日の歌流歳歳『天使たちのシーン』と連続性を持っています。
併せて読まれることを希望します。
日菜清司、記す
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posted by 日菜清司 at 23:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌流歳歳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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