2006年06月07日

斑葉

あいみてののちの心の夕まぐれ君だけがいる風景である (俵万智

片想いの人の羽根が伸びている
平生はかようではない
しかと注視しないと羽根があることにさえ気づかない
それが存外に伸びている
片想いの人が着ている水玉模様のワンピースを突き破って羽根は鮮やかな黄色を帯びて伸びている
背中に乗りませんか、片想いの人は云う
云われるままに乗る
ふうわと、浮く
50cmから80cmばかりの地点を揺れながら、浮く
チャックを外していただけませんか、片想いの人は云う
云われるままにワンピースのチャックを外す
片想いの人は甘言を漏らす
背中がすんと揺れる
片想いの人の着衣をすべて剥いで床に放る
ヒヤシンスの香水の匂いがいっとう甘たるい
0600607
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posted by 日菜清司 at 22:30| Comment(2) | TrackBack(0) | 歌流歳歳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
はじめてコメントします。

毎回、独特の世界観に唸らされています。
(--いつも複数の辞書と格闘しながら拝読--)

短歌と寓話のコラボレーションですが・・
(だから短歌関連リンクからリンク出来るか熟考中)
私は寓話の世界が好き。

「斑葉」
最後の2行前が大きな転調になっていると言えるでしょう。
最終行、ヒヤシンスの残り香が漂ったまま
物語の続きはすべて読者に委ねられる。
(--続きは、読み手が物語りを自由に紡いでいくのだ--)

(ヒヤシンスの香水が絶妙/百合では駄目←私見ですが)

『光のなかの艶』を感じます。
Posted by K.Aiko at 2006年06月24日 16:09
K.Aikoさん

あちらでもこちらでもコメントをありがとうございます。
心強いです。
『光のなかの艶』なる言葉を目指してこれからも綴っていきます。
お付き合いいただければ幸です。
どうぞよろしくお願いします。
Posted by 日菜清司 at 2006年07月06日 19:50
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