2006年05月17日

音容

抱くとき陽射しの匂うやさしさはピアノの蓋にちるさくら花 (加藤治郎

眠るタケノコトリさんの唇に女の子がいる
上唇に頭を乗せて下唇で脚をばたつかせている
薄桃のワンピースを着た女の子である
こんな女の子はついぞ見たことがない
こんにちは、ぼくは云う
ふりゅららったりゅっぱ、女の子は応える
おいで、ぼくは手を差し出す
りゅら、女の子は背中の羽根をはためかせる
楕円の弧を描いてすうと飛ぶ
ちょうちょ、ちょうちょの唄の速さで飛んでくる
楕円の頂点で動きを止める
大丈夫ですか、ぼくは問う
りゅら、りゅうらたっぺ、女の子は応える
静かに羽根を畳んで下降する
ぼくの手のひらに乗る
てんでやわらかい
壊さないよう指を折る
タケノコトリさんは眠っている
唇に女の子をそっと戻す
060509
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posted by 日菜清司 at 19:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌流歳歳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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