2006年02月14日

蜜語

ことばより水はやきかな三月のわが形代に針ふる岬 (山中智恵子

聾の恋人はあちこちに指を落とす
幾百の指はてんでに転げる
ローズマリーのマニキュアの匂いが甘たるく広がる
ぼくは指を拾い集めて言葉にしてやる
りきゅらりゅっぱひららりゃっぺ、聾の恋人の指は云う
聾の恋人の指を集めて言葉にする
りきゅらりゅっぱひららりゃっぺ、と
聾の恋人は矢継ぎ早に長いながい話をはじめる
指はあちこちに落ちる
一本ずつ丁寧に集める
乱暴な指も柔らかい指もある
鋭いのも冷やこいのも熱いのも電気の流れるのもある
それらの指はつぎつぎと言葉になる
ローズマリーの匂いがすんと甘たるい
りゅーりゃらっぺらられらった、聾の恋人の指は云う
たゆたう夜を通して指を集めつづけている
060214


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posted by 日菜清司 at 23:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌流歳歳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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