2006年09月23日

星雨

久方の天に一つの星ありて水にすがたをうつしけるかも (尾山篤二郎

水溜りに女の人が住んでいる
700年ほどになる
かしかし、かしかしと聞こえる
ゴイサギの白斑の羽を洗っている
どうして水溜りに住んでらっしゃるのですか、ぼくは問う
400年ほど前のことだろうか
星座になぞなりませんわ、女の人は応える
かしかし、かしかし
水溜りから羽を洗う音が聞こえる
白斑の羽を外したゴイサギが水溜りの中から空を見ている
水溜りに女の人が住んでいる
700年ほどになるだろうか
20050508
posted by 日菜清司 at 14:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌流歳歳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年09月14日

滝絞

自然がずんずん體のなかを通過するー山、山、山 (前田夕暮

滝を売っているです、羽根のあるひとは云う
どんな滝ですか、タケノコトリさんは問う
どんな滝も作るです、羽根のあるひとはタケノコトリさんの衣服を剥ぎながら応える
緑色のフレアスカートとニット帽子とシャツがすぅと床に落ちる
どうもこの滝は死にかけているです、タケノコトリさんのはらわたを指でつまんでは羽根のあるひとは云う
タケノコトリさんは甘言を漏らす
滝が死ぬとどうなるのですか、赤色の下着がほとんど肌蹴てしまったタケノコトリさんは問う
あらゆるものは死にかけているです、羽根のあるひとは云う
滝はその始まりに過ぎませんです、タケノコトリさんの衣服はすべて剥がれてしまう
しかし滝は必要であるです、羽根のあるひとは云う
死の速度は様様であるです、部屋はこぼれたヒヤシンスの香水で甘たるい
滝はその源であるです、羽根のあるひとはタケノコトリさんの臓器に手首まで入れて掻き回す
タケノコトリさんは眠るように目を閉じていっとう甘い甘言を漏らす
じきに出来上がるです、羽根のあるひとは云う
060914
posted by 日菜清司 at 18:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌流歳歳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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