2006年07月25日

磨墨

ほゝゑみてうつゝごゝろにありたゝす百済ぼとけにしくものぞなき (會津八一

石を拭く
20cmばかりの細長い石である
ほほ、ほほと聞こえる
ただの石ではない
ほほ、ほほと鳴る石はついぞない
なんの石かというとなんの石でもない
タケノコトリさんに譲っていただいた
ほほ、ほほと鳴る石です、と
いい音色である
しずしずと脊髄を揺らせる
ほほ、ほほと音をだす拭き方がある
タケノコトリさんに拭いていただく
ガーゼを畳む
もう半分に畳む
ほほ、ほほといっとう艶かしい音色が響く
このような音色を奏でることはできない
060725

posted by 日菜清司 at 20:17| Comment(1) | TrackBack(0) | 歌流歳歳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年07月06日

埋玉

この春はちぢむ乳房のをかしくもかろき心となりて梅見る (日高堯子

花の名を教えていただく
マニキュアの壜が転げる
聾の恋人の指はゆくゆくと聞いたこともない美しい名になっていく
恋人の指が取れて落ちる
その名を指で形作るたび落ちる
ぽろろ、ぽろろ落ちる
土に降りた聾の恋人の指は女の子になる
赤いのやら緑のやら橙のやら紫のやらそれぞれの色の帽子を被っている
女の子たちは銘銘に土に潜る
花が咲くのよ、恋人は教えてくれる
聾の恋人は喉へぼくの手を導く
花の名を告げた喉はいっとう柔らかい
そのまま力を加えずにすんと絞まっていく
060706
posted by 日菜清司 at 19:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌流歳歳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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