2005年09月21日

ころげる

破壊した体温計を敷きつめて三十年のでんぐり返り

ころぶ
ころぶたんび女の子がくっつく
赤い帽子の小指ほどの女の子が耳のうしろにくっつく
また、ころぶ
ころぶたんび男の子がくっつく
青い帽子の小指ほどの男の子が耳のうしろにくっつく
進むたんび、ころぶ
ころぶと耳のうしろの女の子やら男の子やらはぐちゃぐちゃの傷だらけになる
それでも、ころぶたんびくっつく
女の子やら男の子やらは耳のうしろにたくさん、いる
ひんやりしている女の子もいれば元気いっぱいの男の子も、いる
耳の近くにいるので賑賑しい
また、ころぶ
ころぶと新しい女の子やら男の子やらが、くっつく
古い女の子やら男の子やらはやがて傷ついて弱っていく
ときどき、死ぬ
耳の近くにいるので死ぬとわかる
おや、と思うや女の子やら男の子やらが死んでいる
それでも、ころぶ
前へ前へところびながら進む
どこへいくのか、わからない
獣の匂いをした生温かい風がびゅんと、吹く
20050122
posted by 日菜清司 at 22:22| Comment(0) | TrackBack(0) | my song | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月17日

あたらしい耳

武道館ファイナルをむかえジャイアンが不遇時代をついに語った (緒川景子

新しい補聴器の具合がすこぶる良い
前の耳は齧られてしまった
新しい補聴器はふわふわの毛だらけで長い
さっそく側頭部に取りつける
するとおめめは赤く尻尾がくりくりと生えてくる
ほとんどウサギのなりになる
そうするとどんな音も聞き逃すことはない
誰のどんな言葉も美しい音階として耳に届く
色鮮やかな飴玉がちりぢりに弾む
ぼくはすっと耳を澄ませる
ここではないどこかから獣の呻き声が聞こえる
もう決して耳を齧られまい
ドラえもん短歌
posted by 日菜清司 at 15:27| Comment(0) | TrackBack(0) | 歌流歳歳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月07日

たゆたう

飛び込んでみます ちいさな花を敷き詰めてください たゆたうひゃくねん

いらっしゃいな、片想いの人に誘われてマンホールに飛び込む
そうして落ちてから久しい
100年くらいだろうか
まだ落ちている
地に足がつかないのは心もとない
ちいさな光に導かれて落ちつづけている
色鮮やかな花に眩暈がする
片想いの人の甘たるい蜜の匂いがぐんと強くなる
底だろうか
20050516
posted by 日菜清司 at 19:08| Comment(0) | TrackBack(0) | my song | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。