電柱に埋まってしまった。
最初は背中だけであった。
後ろを失うと前を失うのは必定である。
すうと飲み込まれていた。
片想いの人を待っているうちに埋まってしまった。
そういうわけで電柱の中にいる。
犬に小便を引っ掛けられる。
片想いの人の獣の香がする。
喉が渇くので赤信号の液を飲む。
飲んでも飲んでも液は尽きることがない。
舌が真っ赤に染まる。
片想いの人がやってくる。
電柱の中にのそりと入ってくる。
前から、入ってくる。
二人して赤信号の液を飲み干す。
電柱から出るのである。
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